出会ってわかる。アサギマダラの美しさ。

知ってる人は知っている。知らない人は全く知らないアサギマダラのお話。まず私のアサギマダラについて知っていることは、旅する蝶で、秋の七草フジバカマが好き。その程度でしょうか。(笑)


偶然山や森で出合うと、やっぱりキレイなんですよねアサギマダラ。あらためて観察すると飛び方も普通の蝶とくらべてとっても優雅だし…こんなにキレイだったっけ?と、じわじわ感動しています。

自然の中で何かに気付く・感動する。きっかけは様々だと思いますが、そこからいろんなことに興味が広がっていきます。こんなに身近なのに、あまり知られていないスーパーバタフライ「アサギマダラ」について少し書いてみます。

フジバカマとアサギマダラ



【外見の特徴】
チョウ目タテハチョウ科マダラチョウ亜科という分類で、アゲハ蝶と同じくらいの大きさですが、翅(ハネ)が半透明でステンドグラスみたいで本当に美しい!

【分布について】
日本全土〜台湾・中国〜ヒマラヤ山脈まで分布。通常は標高の高い山地に生息していますが平地でも見かけることができます。(森や自然の豊かなところなら…)

【渡りについて】
春夏は北上(北海道方面)、秋冬は南下(台湾方面)と渡り鳥のように大移動します。でも鳥ならいざ知らず、小さな昆虫が、高い山を越え、休む場所が無い海を渡り、何千キロも旅をするなんて凄いと思いませんか!ちなみに、高い山は上昇気流に乗り、高度をできるだけ上げ、そこからグライダーのように滑空して山を越え距離をかせぐようなんですね。(ほとんど鳥!)

先日のいち動物公園内の山道で出合ったアサギマダラをスマホのスロー動画で撮影してみましたが、やっぱり羽ばたきと滑空を繰り返してますよね。(なるほど!)おまけに人なつっこくてあまり人間を怖がらないんです。山で出合うと本当に嬉しくなりますよ。

日本にいくつか中継地というか滞在場所があり、私の住む高知県にはアサギマダラの滞在地として有名なポイントが沢山あります。また、アサギマダラは特定の植物の蜜しか吸いません。「スナビキソウ」「フジバカマ」「ヨツバヒヨドリ」などです。これは日本各地に自生する、その土地土地に合った植物になるので、高知では「フジバカマ」でおもてなしになります。

ヨツバヒヨドリ



ちなみに蝶の渡り世界記録1位は、「オオカバマダラ」のアメリカ〜メキシコ間で3,300キロ。第2位が「アサギマダラ」の和歌山県〜高知県〜香港の2,500キロの記録だそうです。(風の力を借りて1日に100キロ〜200キロも移動!)

そんなアサギマダラですが、生息数は年々減ってきているようで、日本全国でアサギマダラが好む食草を学校や森林公園などに植えたりと保護活動も行われています。

ちょうど今の季節、高知や九州の方はアサギマダラに出合えるチャンスです。是非山や森に出かけて、直接アサギマダラの美しさや生命力を感じてみてください!(牧野植物園にも飛来しますので、運がよければ出合えます。)

追記:幼虫についても「キジョラン」との面白い関係のお話しがありますが、次の機会にご紹介させていただきますね。それではまた…

キジョラン

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