山ホトトギスから思うこと

「目に青葉、山ホトトギス、初鰹」 〜 江戸時代の俳人・山口素堂(*1)の初夏の季節感をよく表した句ですが、森林率が全国1位、カツオの消費量も全国1位の高知県。初夏にはホトトギスも沢山鳴いています。よくよく考えたら高知にぴったりの句で素敵だな〜と勝手に思っています。

*1:山口素堂(1642年~1716年)は、江戸時代中期〜後期の俳人。松尾芭蕉とは同門で、親交があり、蕉風の確立に寄与したといわれています。




またこの時期、ホトトギスとウグイスの声をよく耳にします。ウグイスは「ホーホケキョ」、ホトトギスは「トッキョキョカキョク(特許許可局)」と鳴くのはお馴染ですね。(ちなみにウグイスの「ホーホケキョ」は繁殖期のオスの鳴き声で、それ以外の時期は「ホーホケキョ」とは鳴きません。)そのウグイスの近くでホトトギスの鳴き声がすると、ウグイスが「ケキョケキョケキョ…」と警戒している時に出す激しい鳴き方をします。

ウグイスは2月〜3月頃から鳴き始め、ホトトギスは少し後の4月〜5月頃から鳴き始めます。なので初夏はこの2種の声を頻繁に耳にします。それもちょっと不穏な感じの2種の鳴き声を…

あっ!とその時。そういえばホトトギスって托卵(*2)をする鳥だったよね。と思い出しました。

*2:托卵とは、自分で卵を温めずに、他の種の巣に自分の卵を産み付けて育ててもらう習性をいう。日本で見かけるこの習性をもつ鳥は、カッコー、ホトトギス、ツツドリ、ジュウイチなど4種。

ホトトギスのヒナを育てるウグイス

托卵をする鳥に悪いイメージを持つ方も多いかもしれませんが、ホトトギスにも事情がありそうなので少し調べてみました。托卵の習性のある鳥は体温調節機能が未発達で自分で卵を育てられないないそうなんですね。だから他のお母さんにお願いするという…そういうことか。

ん?なんかおかしい。ということは自然界のホトトギスは全て(ほとんど?)ウグイスのお母さんによって育てられたということ?だからホトトギスはウグイスのことをお母さんだと思っている?そうだとしたら、例えるなら実家のお母さんに「卵が生まれそうだから帰ってきたよ!」と子育てをお願いしに娘がやってきて「あなた誰!」とウグイス母さんが拒否している感じ… う〜ん。少し複雑な気持ちになりますね。

季節を告げる鳥のさえずりからイメージされる様々な創作やストーリー。昔の人も同じだったようです。万葉集480首のうち、実に156首がホトトギスについてよまれているそうです。何か分かるような気がします

ウグイスと柳の花






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